この記事の要点
2026年1月にGmailの一部機能（POP受信）が終了しますが、多くのユーザーが利用している「メール転送」や「IMAP接続」には影響がありません。
自分の設定を30秒で確認する方法と、安全な設定について解説します。
1. はじめに
「2026年1月から、Gmailで外部メールが受信できなくなる」
そんなニュースを見て、ドキッとしたことはありませんか？
私もその一人でした。
長年、仕事用の独自ドメインメールをGmailで一元管理していたので、「これが使えなくなったら仕事に支障が出る！」と一時はかなり焦りました。
ネット上の情報も専門用語が多く、「結局自分はどうなの？」と混乱してしまいました。
しかし、実際に設定を確認してみると、実は私の環境では全く影響を受けないことが判明しました。
同じように不安を感じている方のために、私がどのように確認し、なぜ「大丈夫」だと判断できたのか、その経緯と確認方法を分かりやすく共有します。
2. 2026年1月に終了する機能・継続する機能
まず、今回の仕様変更で「何が終わって、何が続くのか」を整理しましょう。
ここが最大のポイントです。
終了する機能（影響あり）
- PCブラウザ版Gmail「他のアカウントのメールを確認」（POP受信）
Gmail自体が外部サーバーにメールを取りに行く機能です。これが廃止されます。 - Gmailify機能
Yahoo!メールなどをGmailと連携させる機能です。
継続する機能（影響なし）
- 外部メールソフトからのGmail受信（POP/IMAP）
OutlookやThunderbirdでGmailを受信するのは問題ありません。 - Gmailアプリでの外部メール追加（IMAP）
スマホやタブレットのGmailアプリなら、引き続き外部メールを使えます。 - Gmailからの送信機能
「名前（Gmail を使用して他のメールアドレスからメールを送信します）」の設定は残ります。 - メール転送機能
レンタルサーバー等からGmailへ転送する方法は、今回最も推奨される安全な方法です。
3. よくある誤解：「送信設定」があるだけで混乱した話
私が一番混乱したのがここです。
Gmailの設定画面を見ると、自分の独自ドメインが表示されていたのです。
私の勘違い
しかし、よく見るとそれは「名前（Gmail を使用して他のメール アドレスからメールを送信します）」という項目でした。
これはあくまで「Gmailからそのアドレスで返信する」ための設定で、受信とは全く関係ありません。この送信設定自体は2026年以降も問題なく使えます。
重要なのは「受信をどうやっているか」なのですが、私は「受信設定（POP）」を使っていなかったため、該当箇所が空欄になっており、逆に「どうやって受信しているの？」と混乱してしまったのです。（答えは「転送設定」でした。後述します）
4. 影響を受ける設定 vs 影響を受けない設定
ご自身の利用状況がどれに当てはまるか、確認してみてください。
| 設定方法 | 2026年1月以降 | 説明 |
|---|---|---|
| PCブラウザ版Gmail 「他のアカウントのメールを確認」でPOP受信 | 使用不可 | 今回終了する機能です。 代替手段への移行が必要です。 |
| レンタルサーバーから Gmailへメール転送 | 継続可能 | 今回推奨される方法です。 PCでもスマホでも同じように見られます。 |
| スマホのGmailアプリで IMAP接続 | 継続可能 | アプリ版はIMAPに対応しているため影響ありません。 |
| Outlook等のメールソフトで Gmail受信 | 継続可能 | 今回の変更とは無関係です。 |
5. 30秒でできる！自分の設定確認方法
「自分が対象かどうかわからない」という方は、PCブラウザ版Gmailで以下の手順を確認してください。
ステップ1：Gmail設定を開く
- Gmail右上の歯車アイコン（⚙️）をクリック
- 「すべての設定を表示」をクリック
- 「アカウントとインポート」タブをクリック
ステップ2：「他のアカウントのメールを確認」の欄を確認
- ここにメールアドレスが表示されている場合
→ 影響があります。2026年1月までに「転送設定」等への切り替えが必要です。 - ここに何も表示されていない場合
→ 影響はありません。今回の仕様変更については対応不要です。
ステップ3：実際に受信できているか確認
「他のアカウントのメールを確認」が空欄なのに、独自ドメインのメールがGmailに届いている場合。
それはたぶん「サーバー側での転送設定」が行われています。
これは最も安全な設定ですので、そのまま使い続けて問題ありません。
6. 私のケース：安全だった設定の実例
私の環境は以下のようになっていました。
これが「影響を受けない」典型的なパターンです。
実際の構成
独自ドメインメール（エックスサーバー等）
↓ 【メール転送設定】（ここでGmailに飛ばしている）
Gmail（メインアカウント）
↓ 【フィルタ機能】
各ラベルに自動振り分け
具体的な設定内容
エックスサーバー側
「メール転送」設定で、全てのメールをGmailアドレスに転送。
「メールボックスに残す」設定にしてバックアップも確保。
Gmail側
「他のアカウントのメールを確認（POP）」は未設定。
代わりにフィルタ機能を使って、届いた転送メールをラベル分け。
なぜ混乱したか
この転送設定をしたのが数年前で、すっかり忘れていたためです。
Gmailの設定画面には「送信設定」しか残っておらず、「受信設定がないのに受信できている？なぜ？」とパニックになりました。
サーバーパネル（エックスサーバー）を確認したところ、しっかりと転送設定がされており、胸をなでおろしました。
7. もし対応が必要な場合：転送設定の手順
もしステップ2の確認で「他のアカウントのメールを確認」にアドレスがあった場合、今のうちに「転送設定」に切り替えることを強くお勧めします。
以下はエックスサーバーの例ですが、他社サーバーでも同様の機能があります。
設定手順（所要時間：5分）
- STEP 1：サーバーパネルにログインし、「メールアカウント設定」をクリック
- STEP 2：対象のドメインを選択
- STEP 3：転送したいアドレスの「転送」ボタンをクリック
- STEP 4：以下を設定して追加
- 転送先アドレス：普段使っているGmailアドレス
- メールボックスに残す：「残す」を選択（重要！）
- STEP 5（推奨）：Gmail側でフィルタ設定
- Gmail設定 → 「フィルタとブロック中のアドレス」
From: @あなたのドメインでフィルタ作成- 「迷惑メールにしない」にチェックを入れる（転送メールがスパム扱いされるのを防ぐため）
8. よくある質問（Q&A）
Q1: 今までのメールは消えますか？
A: 消えません。
既にGmailに取り込まれている過去のメールは、2026年以降もそのまま残ります。
Q2: 送信設定はどうなりますか？
A: 影響ありません。
「名前（Gmail を使用して他のメール アドレスからメールを送信します）」の設定は継続されますので、引き続きGmailから独自ドメインで送信できます。
Q3: スマホでも見られなくなりますか？
A: Gmailアプリなら大丈夫です。
アプリ版はIMAP接続に対応しているため、転送設定をしなくてもアカウントを追加すれば閲覧可能です。
Q4: 転送設定の「メールボックスに残す」は必要？
A: 強く推奨します。
万が一転送に失敗した場合や、Gmail側で障害があった場合のバックアップになります。
9. まとめ：混乱したけど確認してスッキリ！
今回の騒動で私が学んだのは、「送信設定」と「受信方法」は別物だということです。
最終チェックポイント
- Gmail設定の「他のアカウントのメールを確認」が空なら、ほぼ大丈夫
- 独自ドメインメールが受信できているなら、転送設定されている可能性大
- レンタルサーバー側で転送設定を確認できれば安心
もし「他のアカウントのメールを確認」を使っていたとしても、今のうちに転送設定に切り替えれば、2026年以降も今まで通り快適にGmailを使えます。
焦らず、まずは30秒の設定確認から始めてみてください。
意外と私のように「実は何もしなくてよかった」というケースも多いはずです！
免責事項
この記事は、筆者自身が実際に経験した内容をもとに、できる限り正確な情報をお届けすることを心がけて作成しました。
しかしながら、以下の点についてご理解とご協力をお願いいたします。
情報の正確性について
- 環境による違い：ご利用のレンタルサーバー、メールサービス、Gmail設定などにより、動作や手順が異なる場合があります。
- 時間経過による変化：Googleや各サービス事業者の仕様変更により、記事の内容が最新の状況と異なる可能性があります。
- 個別の状況：すべてのケースを網羅することは困難なため、個別の環境については保証できません。
ご利用にあたってのお願い
- 公式情報の確認：重要な設定変更の際は、必ずGoogleの公式ヘルプや、お使いのレンタルサーバー会社の公式サポート情報をご確認ください。
- バックアップの取得：設定変更の前には、必ず重要なメールのバックアップを取得してください。予期せぬトラブルを回避できます。
- テストの実施：本番環境で設定する前に、可能であればテストメールでの動作確認をおすすめします。
- 自己責任でのご利用：この記事の情報を参考に設定を変更した結果について、筆者および関係者は一切の責任を負いかねます。
トラブルが発生した場合
万が一、設定変更後にメールが受信できない、送信できないなどのトラブルが発生した場合は下記のご対応をお願いします。
- まず、お使いのレンタルサーバーやメールサービスのサポートにお問い合わせください。
- ITに詳しい方や、専門のサポート業者にご相談されることをおすすめします。
- 変更した設定を元に戻すことで、以前の状態に復元できる場合があります（バックアップがあれば安心です）。
最後に、この記事が、同じように混乱している方の参考になれば嬉しいです。
ただし、最終的な判断と設定変更の実施は、必ずご自身の責任において行っていただきますよう、お願い申し上げます。
大切なメールデータですので、慎重に、そして安全に対応していきましょう。
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