登山中のZ50を守るため、「Kenko PRO1D NEO 67mm」のレンズ保護フィルターを購入しました。
撥水・防汚性能と価格のバランスが魅力で、“消耗品として使い倒せる保護フィルター”という結論に至ったレビューです。
Z50にNIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VRをつけて山を歩くようになってから、前玉(レンズの一番前のガラス)を狙う敵がいかに多いかを痛感しています。
風で舞う砂、稜線の霧、小雨、ザックに出し入れするときの擦れなど。
登山の現場では「カメラを守る」という行為が思っている以上にシビアです。

以前は「Kenko PRO1D Lotus II 67mm」を使っていました。
性能にはかなり満足していたのですが、ある日、ザックから取り出すときにうっかりレンズ側から落下させてしまいました。
結果、フィルターが犠牲になって割れ、レンズは奇跡的に無傷という結末でした。
その一件で、保護フィルターの買い替えに迫られました。
そして、レンズ保護フィルターは「レンズを守って壊れる消耗品」と割り切るようにしました。
そこで今回、新しく選んだのが「Kenko PRO1D プロテクター NEO 67mm」です。

撥水・防汚コート、日本製、薄枠という条件を満たしながら価格が抑えられているのが決め手でした。
登山での常用保護なら十分おすすめ
登山やアウトドア撮影の「常用保護フィルター」として、この「PRO1D NEO 67mm」は非常にバランスが取れています。
撥水・防汚コーティングのおかげで手入れが早く、広角レンズでもケラれ(周辺の影)を気にせず使える薄枠設計です。

日本製の安心感もありながら、価格が安く万が一割れても、同じものを無理なく続けられる価格という範囲に収まっています。
逆光耐性や反射率などを突き詰めたい人には上位モデルのLotus IIのほうが合いますが、登山や日常撮影で「とにかく前玉を守る」目的なら、このNEOで必要十分と思います。
山で求められるのは“信頼できる消耗品”
まず、登山では風や砂塵、小雨などの要素が常にカメラに影響を及ぼしてきます。
その点、保護フィルターを常時装着しておけば前玉のダメージを大きく避けられます。
Z DX 12-28mmのような広角ズームでも、67mm径の薄枠タイプならケラれの不安はありません。
また、NEOの撥水・防汚コートは実際の現場で効果を実感します。
濡れたときも水玉が張り付かず、ブロアで飛ばしやすいですし、ウェスやタオルで拭く回数も減り、霧雨の中でもストレスが少なく済みます。
さらに、前枠がローレット加工されているので着脱がしやすく、キャップの取り付けも問題なし。

価格はKenkoのPRO1Dシリーズの中でも特に安価です。
消耗品として買い替えを考えても現実的な価格帯です。
具体的な使用シーン
落下時の“犠牲”
以前、登山中にZ50を肩ベルト留め具から外す際に、レンズ側から地面に落としました。
拾い上げた瞬間はなにも問題はなかったのですが、自宅でカメラの手入れをしているときに、フィルターがパキッと割れてしまいました。
割れたフィルターを外そうをしましたが枠が少し歪んでいたのか、外すのは意外と大変でした。
フィルターを外すと、レンズ自体は完全に無傷。
あの瞬間、「フィルターってこういう時のためにあるんだ」と実感しました。
以来、私は保護フィルターを“壊れない盾”ではなく“壊れて守る使い捨て”と考えるようになりました。
雨と霧の撮影
霧雨の中での撮影では、撥水コートの有無で明確に差が出ます。
NEOは水滴が広がらず、ブロアでほとんど飛ばせる。
残っても軽くクロスで拭けばきれいに戻るので、撮影テンポが途切れません。
防汚効果もあり、指紋なども落ちやすいです。
広角での恩恵
Z DX 12-28mmは超広角の迫力が魅力ですが、フィルターの厚みでケラれが出やすいレンズでもあります。
NEOは薄枠設計のため、広角端でも安心して付けっぱなしにでき、山での行動中にいちいち取り外す必要がありません。
Lotus IIからの切り替え
Lotus IIは確かに上位モデルらしく、撥油性や反射の少なさ、質感の高さで優れています。
ただ、登山のような環境では“いずれ壊す前提”のため、消耗品としての価格を考えるとNEOのほうが気楽です。
必要十分な性能と価格のバランスが取れていて、日常使いにはちょうど良い位置づけだと感じました。
使いこなしのコツ
今回の教訓のひとつが、フィルターを締め込みすぎないこと。
最後のひと締めで固着することがあるので、軽く止まる位置で留めるのが安心です。
また、砂が噛むと外しづらくなるため、定期的に外して枠とねじ山を清掃するといいでしょう。
清掃時はブロアで大きなゴミを飛ばし、軽く拭いて終えるのが理想です。
拭きすぎはかえって微細な傷の原因になります。
NEOの反射抑制は標準レベルなので、厳密にいえば太陽を画面内に入れるような構図ではLotus IIに分がありますが、プロでもなければあまり気にすることはないでしょう。
価格とコスパの実感
価格は、非常に安価で安定しています。
コスパが良く、気兼ねなく使えるのが強みです。
上位のLotus IIは撥油性や滑らかな着脱感など、描写面での恩恵がある分、価格は上がります。
ただ、私のように「登山でガンガン使って、時々交換する」使い方をするなら、PRO1D NEOの価格設定は非常に現実的です。
デメリットと注意点
強い衝撃を受けるとフィルターは割れます。
実は今までレンズ保護フィルターは割れたことがありませんでした。
枠が歪むと外しにくくなることがあるため、無理に回さずタオルなどで保護して外すのが安全です。
撥水コートは万能ではないので、泥や油が付着した場合は丁寧にクリーニングするようにしましょう。
まとめ:こんな人に向いている
登山でZ50+Z DX 12-28mmを使う方や、カメラを屋外で酷使する人にとって、PRO1D NEO 67mmは最適な「常用保護フィルター」だと思います。
撥水・防汚・薄枠・日本製という基本性能を押さえつつ、割れたら潔く交換できる価格帯。
使い倒してこそ価値を感じる“消耗品”という位置づけがちょうどいい。
一方、逆光での反射や滑らかな操作感まで突き詰めたい方には、Lotus IIのような上位モデルを検討するのがよいでしょう。
自分の撮影スタイルに合わせて選ぶことで、フィルターも“相棒”として長く付き合える存在になります。



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